不倫報道って要る⁉

週刊エルべ

「でも、これまでも芸能人ら有名人の不倫の記事を、幾つも発刊して来ましたよね」

「だから言ってるじゃないか、事実に基づいた違法行為の記事であれば、今まで通り掲載してもなんら問題はないんだよ・・だけどな・・」

「だから、二人が食事していたのが事実だったら良いってことでしょ！」

「芹沢！　お前、幾つになった？」

「18年・・いや今年で４０歳です」

「この仕事を始めて、もう１８年にもなるんだ・・１８年も記事を書き続けているからには、俺が話す言葉の裏表ぐらい想像出来るだろ⁉　いいか、よく訊けよ、もう一度だけ言いうからな、
ある人物が詐欺事件の疑いで逮捕されたとしても、それはあくまでも被疑者であって、刑が確定した訳ではない。
　この段階では、その逮捕の事実は掲載しても問題は無いが、どさくさに紛れて、その人物のプライバシーの部分まで記事にするのはアウトだ！
理由はその人物がまだ被疑者であって、罪人とは確定していないからだ！
どうだ芹沢、ここまでなら分かってくれるよな⁉」

　机の前に立つ大柄の芹沢と比較すると編集長の身体は一回りも小さく見える、その編集長が椅子に座ったままだとすると、想像するだけで頸椎が痛くなりそうだ。