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「いや、それがだね・・先ほどまでは家に帰るつもりだったが、急きょお寿司屋さんにでも寄り道しようかと思ってね・・」
「でしょ⁉ だったら私がお送りしましょう・・さっ、早く乗って!」
「片桐君・・お寿司屋さんだよ⁉ 場所・・分かってんの?」
「分かってますよ、いつもお土産に買っていかれるお寿司屋さんでしょ⁉
それぐらい調査できないなら、探偵なんて務まりませんよ」
「片桐君・・こんなにボロイので大丈夫かね? それに小さいときてる・・ホントに乗れるのかね? このシートの低いのって、お尻がこすれそうだよ! まさか君、これから鈴鹿でサーキットでも始めようって言うんじゃないだろね⁉」
「いくらボロくっても、二人までなら大丈夫です・・いずれ先生に儲けさせてもらったら新型に買い替えますから・・」
―
山本はこれまでも、週刊エルベの何度かのストーカーまがいの尾行を受けていた。
山本は桑田京子とのスキャンダルを避けるために、警察ではなく、この片桐が経営する探偵社K&Mに調査・警護を依頼していたと言うことだ。
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