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点火と共に
紅炎や稲妻みたいな火花を散らし
間欠的に盛んになる
それが一旦収まって
赤心を顕示する如く
赤熱の籠った蕾となったかと思うと
さっきより賑やかにパチパチ言いながら
松葉状の火花を爆発的に炸裂させ分裂させ
それらが枝分かれしてシシウドのような火花となって
消えては笑い消えては笑う少年時代の僕の心の揺れのように
消えては咲き消えては咲き
次第に勢いを失って行き
小さくなって細かくなって散り菊となって
火球となったかと思うと
隕石のように落下して
儚く消滅する
宛ら僕の少年時代の終焉を物語るように
嗚呼、夏休みに何度も灯した線香花火
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