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プロローグ
この世界には、人間よりも遥か昔から存在している種族達がいる。
それは俗に言う吸血鬼だったり、人狼だったり、人魚だったり、悪魔だったり。数えたらきりがないくらいに存在する異種族達は、しかし人間達に恐れられて、害獣と同じ狩りの対象にされていた。そのせいで彼等の数はあっという間に減ってしまい、人間の数を大幅に下回って、もはや伝説上の存在となってしまっていた。
貴重種、とも呼ばれ、彼らの狩りが禁止された今、異種族達は保護の対象になっている。そして彼等が仲間を増やし繁栄する事も許されているのだが、なにせ数が減っているので、同族との繁殖が難しくなっていた。
そこで異種族達は、自ら進化を遂げて人間との間にも子供が出来るようになっていたのだ。それも、男女問わずにそれが可能だという。
この世界には、そんな貴重種達の存続を掛けた愛の物語や、ただ恋をしたりされたりの切ない愛、報われない愛の物語が、ひっそりと、しかし確実に後世へと紡がれていた。
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