ばぁばの、ばあ

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 「動くな!」  突然の霊媒師の大きな声に、私は固まった。目を閉じているせいで、何が起きて居るのか分からない。  恐らくは小屋の外から聞こえる様だが、確かめる術はない。  「そこに居るのは分かっている!」  すると、「タタタ……」と何かが走り去る様な音がして、小屋のドアが開いた。  ドアからは一歩ずつ、何かが足音を立てて近づいて来る。 「もう、目を開けて良いですよ」  その声に合わせて私は目を開けると、目の前の霊媒師は厳しい顔付きで私を見た。 「ごめんなさい。失敗に終わりました」
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