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お婆ちゃんの葬式に父や親戚が駆けつけて、私は悲しみよりも、忙しさや気遣いに疲弊した。
一週間後、ようやく一通りの事が片付いて父も仕事に復帰する頃に、やっと悲しみと向かい合う事が出来た。
「ばぁばだよ、ばぁ。」
お仏壇に手を合わせて目を閉じると、懐かしい笑顔が浮かび上がって来る。思えばいつも、何だかんだで救われて来たであろう、あの笑顔。
「また会いたいな。お婆ちゃんの笑顔に。」
私は心の中でそう呟いた。遺影の中のお婆ちゃんは笑っていたものの、どこか寂しそうに私を心配する様な顔にも見えた。
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