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頭痛ってぇ・・おごりとは言え飲みすぎたな・・
ドンドンドン!
「キムさん!!居るんでしょ??」
う・・朝からうるさい・・何なんだよ・・
こっちは二日酔いで頭痛いって言うのに・・
「はい・・?」
「あ、やっと会えた。今月の家賃まだ支払われてないんだけど?」
「あ・・・・」
とうとう、この時が来たか・・
「キムソンモさんの息子さんだから大目に見てるけど、今月末までに払ってもらえないんなら、出て行ってね!」
「・・・はい」
両親が亡くなったからって、大家も冷たいよな・・。
両親が健在の時は散々うちを頼ってきたくせに。
ま、金の切れ目が縁の切れ目って事だろ?金払わない奴をここに置いといたって、仕方ないもんな。
もう10月だというのに、日当たりが良いせいか、部屋の中は茹だるように暑い。
ベランダに出て一服しようと胸ポケットに手を伸ばすと、くしゃくしゃのタバコと共に1枚の紙切れが落ちた。
「ん・・・?」
名刺・・・
「あ、昨日のか・・」
いつまでもこうしてても仕方ないし、だからと言っても、バイトだってすぐに見つかるわけでもない。
それに、バイトしたからって、すぐに金が入るわけでもないし・・
ズボンのポケットの財布に手を伸ばした
「所持金610円・・か・・」
さすがにマズいな。これじゃタバコとパン1つ買っただけで底をつく
家賃何て、到底無理な話だ。
「何の仕事だか知らないけど、やってみるか・・」
シャワーを浴び、着替えると昨日の奴に電話した
「あ、俺・・昨日の・・」
「あ~、ジェジュン。その気になったか?」
「まぁ・・。でも、一つ条件が・・」
「何ですか?」
「給料・・前借出来ないか?」
「・・いくらです?」
「61000円。今月までに払わないと、家追い出される」
「61000円?そんなもんでいいんですか??あなたなら、その気になれば前借なんてしなくても一日で稼げますよ?」
「え?ホントか??」
「ええ。じゃあ、夕方4時に東方駅の南口にあるカフェで待ってます」
「分かった」
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