はなび

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僕は高校3年生の夏休み、勇気を振り絞り3年間片思いをしていた子を夏祭りに誘った。 待ち合わせ時間の10分前に夏祭り会場に行くと、既に彼女は着いていたようで、僕が来るのを待っていた。 『ごめん!待った?』 『いいえ、大丈夫よ。まだ待ち合わせ時間の10分前だもの。私も貴方もせっかちね。』 他愛もない話をしながら屋台を回る。 屋台を回り僕はチョコバナナを、彼女はりんご飴を買った。 そのりんご飴で唇が赤く染まり、まるで別人のように見え、少しドキリとした。 そんな事をしているといつの間にか花火が始まっていた。 『花火、始まってるわね。』 『そうだね。あのさ、君に言いたい事があるんだ。』 今だ。そう思い僕は彼女に言った。 『何かしら?』 『僕、この3年間、ずっと君の事が好きでした!僕と付き合ってください!』 彼女は数秒考えた後、口を開いた。 『私は…』 その言葉は、打ち上がった花火によってかき消された。
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