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「たまに見るの。暗殺者失格よね。人を殺したことに怯えるなんて」
「最初なら、誰だって怖いよ。人を殺すのもそうだ。正常な反応だと思うけど」
「正常、ね。人を殺した時点で、正常なんてないわ。むしろ正常な考えを消したほうが、精神を保てる。それに、殺された人は私を怨んでるはず。この夢を見て苦しむことは、ある意味罪滅ぼしになるのかもしれない」
口元を歪め、自嘲するサラ。
「……初めて人を殺した時、どうだったの?」
「それは好奇心の質問?」
「否定はしない。話したくないなら、しなくていい」
サラは少し考えるそぶりを見せた後、まあ減るものではないし、とぽつぽつと語り始めた。
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