ナツキ

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 夕方6時を知らせる町内放送が流れる頃、耕平は「じゃあ、また明日な」と言って帰っていった。 立て付けの悪い玄関扉が締まり、離れていく耕平の影を見送ったあと、叔母が沈黙を破った。 「さてと、浴衣出そうかな〜」 俺は自分の部屋に戻り、読み散らかした漫画を本棚に戻した。  明日は縁日。そして、親父の帰ってくる日。思わずふうと息をつく。まだ沈む様子はない太陽の日差しが眩しくて、思い切りカーテンを閉めた。
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