ナツキ

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ナツキ

夏樹(なつき)〜、買い物頼みたいんだけど!」 「今忙しいー」 「いつもの八百屋だからさ、近いからすぐでしょ」 そう言って、叔母さんは俺にカバンを押し付けた。 「はぁ…」俺はため息をつきながらそのカバンを拾い上げ、玄関に向かった。 「そこにメモあるから、頼んだよ〜!」俺は叔母さんに返事はせず、靴を履いて外に出た。 夏休みに入ったばかりだというのに、もうセミはそこら中で鳴いていた。
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