大好きなあなたへ⑹

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前略 先日は、暑い中の出張 お疲れ様でした。 あなたの鞄に付いてるぬいぐるみも、暑がってそうな顔に見えたのは私だけでしょうか。 「そのぬいぐるみは海外へも連れて行くのですか?」 日本でも、いろんなところへ出張で出かけるあなたに連れて行ってもらえるそのぬいぐるみに、私は密かに嫉妬してました。 「海外へは連れて行きません。荷物の扱いがひどいので汚れてしまうから、家に置いて行きます」 連れて行かない、でもそれは汚れてしまうからとのことですね。 それはそれでまた嫉妬してしまいました。 だってそれほどあなたに大事にされているということですから。 おかしいですよね、私。 そんなものにまで嫉妬心を抱くなんて。 あ、そうだ! 今度の来社の時までに 小さなストローハットを用意しておきますね。 その子にぴったりなサイズのストローハットを、この前見つけたので。 あなたが鞄を置いたら、こっそりかぶせておきます。 バリバリのビジネスマンなのに 小さなぬいぐるみを大事に連れているあなたが 可愛く思えてしまいます。 仕事の厳しさとのギャップがまた、あなたの魅力ですね。 私しか知らないあなたの一面だとしたら また少しだけ あなたに近づけた気がします。 遠く離れたどこかのあなたへ
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