誰にもやらない!

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それから数日後、久々に、真由美ママがお店にやって来た。 「いらっしゃいませ。久しぶりですね。」 「大ちゃん、元気みたいで何よりよ。」 「はい。僕は、元気一杯です!」 「あらぁ。その笑顔、いつもより3倍増しね。いいことあったわね。…う~ん、そうね。遂に、やっちゃった?」 「また、ママはそう言うこと言うでしょ。してませんて。でも…」 「でも?」 「僕を誰にも譲らないって宣言してくれました。」 にこやかに話す大樹に、真由美ママもにこやかに返す。 「そう、よかったわね。これからも、頑張りなさいね。さて、注文しないと仕事の邪魔だし、尚ちゃんに怒られるわね。 大ちゃん、オーダーね。今日のリゾットとシュリンプサラダ。飲み物は、そうね、たまには、アルコール以外もいいかしらね。レモンスカッシュにするわ。」 「畏まりました。しばらくお待ちください。」 真由美ママは、大樹の背中を見ながら、ポツリと呟いた。 「尚ちゃん、決心つけたんだ。ふたりとも頑張れ。」
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