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「マスター、看板下げて来ました。」
「ああ、もうそんな時間か…お疲れ様、後は、やっておくから帰っていいよ。」
「じゃあ、失礼します。」
僕は、アルバイト先のオーナーに、帰りの挨拶をして、店を出た。
夜道を歩きながら、ふっと彼が、いつもと表情が違っていたことを思い出した。
「…彼女が本命だったんだ。」
あんなにモテモテの彼が、恋した相手に失恋なんて、本当にあり得ないよな。
でも、今日のオーナーの開店前と、さっきの表情は、明らかに違う。
「あ~あぁ。僕じゃあ、やっぱり役不足なのかなぁ。」
綺麗な月が空に浮かんでいた
僕は、自分のマンションへの道を、いつも通りにトボトボと歩くだけだった。
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