オリーブの花より祝福を

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「……エドワー・ジョンソン。元革命家で、街の仕組みを大きく変えた功労者として慕われている。現在の職業は小説家。小説は、革命のことを書いたものが多い、でしたっけ」 「よく調べてるじゃないか。その割には、僕の顔は知らなかったようだけど」 「朝の新聞に書いてあっただけです。生憎顔写真は乗っていなかったので。一つ、質問しても?」 「どうぞ?」 「あなたが先ほど駅でした話は、あなた自身の話ということですか?」  男は何も答えずただ少し微笑んだ。ロイドはそれを勝手に肯定だと解釈することにして、先を続ける。 「なら、男の夢は……革命ですか? その時街を支配していた人たちを殺して、街を変える。そうして、あなたは実際なったように小説家になる」 「半分あってる。いや、四割かな。君は、僕の依頼にどうやら納得できないみたいだね。このまま殺してくれたりはしないかな?」 「……そうですね。あなたは何がしたいんですか? わざわざ爆弾なんて持ち出して、俺を呼び出して。死にたいなら、自分一人で勝手に死ねばいい」 「まあ確かにねぇ。そうだな、まだ時間はあるし少し話そうか。その前に、こっちも一つ質問してもいい?」 「いいですよ」 「多分なんだけど、君がさっきこの車両に普通に入って来たのは、僕を説得するか何かしようと思って話に来たからだよね。どうして、出会い頭で殺そうと思わなかったの? 何度も言うようだけど、君殺し屋でしょ?」 「……あなたを殺しても爆弾は止めれないじゃないですか」  違う。言葉が上滑りして宙を浮く。自分でも言い訳めいた言い方だったと思って、ロイドは目を逸らした。それはどうあっても、男の話を聞く理由にはなってない。 「なるほど、確かにな」  しかし、本気で言っているのかいないのか、男は納得したようにうんうん頷く。
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