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5分後、怪獣の奥歯みたいな形をしたバスがやってきた。男はそれに乗り込み、「じゃあ」と手を振った。ドアが閉まりバスが走り去る。僕は時刻表を確認した。次のバスが来るまであと25分あった。
僕は携帯のタイマーで20分を設定し、スタートボタンを押すと、バス停ポールを傾けて、丸い土台を転がしながら運んだ。
僕はどこからスタートしようか。20分でどこまで行けるのだろうか。たどり着いた先で5分後にバスは来てくれるのだろうか。わからないことや不安でいっぱいで、上手く前に進めないし腕も足もしんどいが、ほんの少しだけワクワクしていた。
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