0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こうたくん、よくきたね。何年生になったの?」
「4年生です」
「そう、大きくなって。ゆっくりしてきんさいよ」
田舎に着くとおばさんが迎えてくれた。
お母さんのお姉さんだ。
いつもは、おばあちゃんが真っ先に出迎えてくれる。でも、おばあちゃんはもういない。
「けんじさん、お盆も仕事って大変なんだね」
お父さんは仕事なので、今年のお盆はお母さんと僕だけだ。
「そうなの、いろいろ仕事大変そうで。姉さん、今年はこうたと2人だけどよろしくね」
「ぜんぜんいいよー。ゆっくりしていきんさい」
「ありがとう。あ、そうだ。こうた、おばあちゃんのところいこう」
お母さんと僕は仏壇へ行った。
仏壇には、去年まではなかったおばあちゃんの写真があった。
線香をあげて、お母さんと一緒に手を合わす。
でも、僕にはまだおばあちゃんがいなくなった実感がなかった。
最初のコメントを投稿しよう!