「嘘みたいな本当の話」的なエロス

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クイッ  そんなに力を入れたつもりは無いけど、彼女はまた俺にしがみつく格好になった。  俺の左肩にかかる彼女の吐息と俺の吐息が、さっきより激しくなっているのが分かる、俺の背中に回した彼女の腕が、一瞬強く俺を抱きしめた後、すーっ、はぁぁっ、と深呼吸にも似たため息と共に力が抜けた。  二人抱き合ったまま相手の方を向くと、先ずは左の頬が相手に触れる、それだけで相手の唇の位置が分かる、俺の方が若干高い。  1度うなずくような動きをして、頬と顎で相手の顔を持ち上げる、相手もそれに合わせて顔を上げる、今度は相手が上がり過ぎ、だけどそれで良い、相手の首筋に俺の唇が触れる。 はぁっ  背中を押さえていた腕の力を緩めると、今度は相手がうなずくような動きをする、俺ももう1度同じ動きをすると、ひたいどうしがくっつく。  後は二人とも顔を上げるだけだ。  ゆらゆら揺れるシーソーの様に、ゆっくりお互いの唇が近づく。  最初はご挨拶、軽くふれるだけ  次は牽制、少し開いた唇同士がお互いを求める様に近づく  そして本番、半開きのまま相手の唇と密着すると互いの舌が絡み合う。  さっきよりも強い力で相手を抱きしめ合う。 んんっ はっ、はっ っはぁ  しばらくそうしていたが、再びひたい同士をくっつける。 「シャワー浴びたい」 「ここからだと俺の部屋の方が近いけど?」 「ん」  二人ともびしょ濡れのまま、車は動き出した。
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