お狐様とてるてる坊主 ―祓い屋タタリの事件帳―

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「ママ! パパはいつになったらかえってきてくれるのっ!?」  だからあたしはこえを大きくしてまたきいてみる。  ママは、こんどはこえがきこえたみたい。  手をとめたママは、ゆっくりかおをあげてあたしをみてくれる。  でも、あたしのことをみているはずなのに、ママの目はぼんやりしていた。  ……まるで、あたしじゃないなにかを、みてるみたい。 「……そうね。次に雨が降ったら、かしら」  キュッとおようふくをにぎってまっていたら、ポツリと、小さなこえがきこえてきた。  げんきのない、くらいこえ。  ママがこんなこえではなすこと、パパがかえってこなくなるまでしらなった。  まるでママのこえじゃないみたい。  でも、たしかにママが、そうおしえてくれた。
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