お狐様とてるてる坊主 ―祓い屋タタリの事件帳―

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 .・°・. 。.・°・. 。.・°・. 。.・°・. 「タタリ君! お願いっ!!  いいおまじないを教えてほしいのっ!! 」  パンッと目の前で両手を合わされ、(たかし)は思わず目をしばたたかせた。  驚いたわけではない。  ただ単に風圧で目が乾いただけである。 「あのなぁ……、毎回言ってるけど、俺の名前は(タタリ)じゃなくて(タカシ)……」 「だって『祓い屋』って名字なんだから、そういうお家の人なんでしょ!? 得意でしょっ!? 詳しいでしょっ!?」 「いや、俺の名字は『祓い屋』じゃなくて『晴屋(ハレヤ)』……」 「もう何でもいいから教えなさいよっ!!  先輩に告白したいのっ!!  恋愛成就のおまじないのひとつやふたつやみっつ、知ってるでしょっ!?」  至極当然の反論を口にしたはずなのに、最後はなぜか逆ギレを喰らってしまった。  ──理不尽だっ!! 「……タタリ、実に適当なアドバイスではないか。『自信を持って、ニッコリ笑ってハキハキと伝えること!』なんて。敬愛法(きょうあいほう)でも教えてやれば良かったものを」  クラスメイトに揉まれてグッタリしていたら、クスクスという涼やかな笑い声が聞こえ てきた。  声に答えるべくそのままのけぞるように顔を上げようとしたら、不意に視界が暗くなる。  それと同時に激痛が顔面を襲った。 「~~~~~っ!?」 「レディのスカートの中を覗こうとは何たる不埒な振る舞いか。タタリ、祟るぞえ?」
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