お小遣い

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お小遣い

私の夫の話をさせてください。 えっ?聞きたくないですか・・・ でも、そんなこと言わないで、 少しだけお時間をください。 私の夫は、埼玉県南信用金庫という、 比較的規模の大きな信用金庫に勤めています。 そこで、システム部という裏方のお仕事ですが、役員をしております。 元々、人と話すのが苦手そうなので、 夫にとっては最適な職場といえるでしょう。 私と夫は職場結婚です。結婚を決めた理由ですか? まぁ真面目だし、大人しいし、 何でも言うことを聞きそうと思ったのが、 一番の理由です。 夫は酒も弱い、タバコも吸わない。 いわゆる銀行員なので、ギャンブルは厳禁。 真面目なのはいいけど・・・ 正直、私からしてみれば、つまらない人間です。 システム部なので、夜のお付き合いもあまりないみたいだし、 何年か前に1度だけ、家で飲んで泥酔したことがあったけど、 たった1度だけなので、許してあげました。 家計は私が握っております。 1か月2万5千円のお小遣いを、夫に渡しています。 たまに、もっとくれないか?と言ってきますが、 職場では社食もあるのに、必要ないでしょう! と一蹴してやります。 まぁゴニョゴニョ文句を言っても、すぐ引き下がるので、 「だったら言わなきゃいいのに」と思います。 だから私は夫のことを、お金を運んできてくれる 下僕のような存在だと思っていました。 あの日の夜までは・・・
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