JK幽霊の暇つぶし

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 やがて掃除の時間になり、どろどろに汚れた上履きが、掃除用具入れのロッカーに鎮座しているのが発見されると、「誰が、どうやって上履きを隠したのか……? しかも泥付きにして」というクイズが皆の頭の中に出題される。  (そんなことはできないはずなのに……。そうか! 復讐の座敷童が出たに違いない) と声にならない答えが、生徒達の頭の中を散歩し始める。そうなると上履きを隠した子ばかりか、クラスの子達全員が無言になり、血の気が引いた顔になったのが面白かった。  「ピンポン、正解です!」と、教えてあげられなくて残念。私はクスクス、と思い出し笑いをした。  だけどそんなことをしても、私としては意地悪のつもりじゃない。かわいい妹、弟を正しい道に戻してあげているつもりだ。実際にその後、イジメをした子は気味悪がって、パタッとイジメをしなくなった。たまに繰り返す子がいるけれど、そういう子はイジメをやめるまで仕返しを続けるだけだ。なにしろ私には時間はたっぷりあるのだから。  だから私は復讐の…なんて、不本意だ。まあ、多少面白がっているのは否定できないにしても。
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