JK幽霊の暇つぶし

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 学校にテレビはあるが、自分で点けられないので世間からうとくなってしまう。いつだったか、テレビのスイッチを入れようと電源ボタンを押したら、バチンと火花が散って壊れてしまったのだ。幽霊と電化製品は相性がよくないのかもしれない。  「ねえねえ、プロポーズの言葉、なんて言ったの?」  「どこで出会ったのかなあ?」  「赤ちゃんはもういるの?」  矢継ぎ早に質問する。二人の会話を聞いていたら私の疑問は解消したけれど、二人から私への返事ではなかったのはやはりちょっとさみしい。  (でも私には、もっと大事なミッションがあるんだから!)と気を取り直して、和歌の前を飛ぶ。楽しく会話する二人を後ろから眺めながら歩いたりしたら、もっと悲しくなりそうだったからだ。  調理実習は、豚汁と生姜焼きに白いご飯という定番メニューだ。  (二年前、私も作ったな。こういうのって変わらないのかな?)  五人位ずつの班に分かれて、調理していく。  「あら、和歌ったら、意外に上手じゃない!」  和歌はジャガイモをキュッキュッと手際よく洗うと、包丁で皮を剥いていく。ゆっくり慎重ながらも、なかなか慣れた手つきだ。和歌の隠れた特技を発見だ。  (これはかなりアピールポイントなんじゃない?)
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