JK幽霊の暇つぶし

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 私はクスクス笑った。他の真面目にテストを受けている生徒の邪魔してはいけないので、こっそりと。私の声は誰にも聞こえないと思うが、もしかしたら勘のいい子が気が付くかもしれないので、一応気を使ったのだ。 シャープペンの生徒にも私の笑い声は聞こえていないようだが、笑った拍子に揺れた空気が彼の前髪を揺らした。それと同時に冷気が彼の顔をさっと撫でたようだ。体をブルっと震わせ、肩に首を埋めて縮こまった。  やがて十分間の少テストが終了し、シャープペンの生徒の真っ白な解答用紙も、一番後ろの席の生徒が無情にもサッと回収していった。  シャープペンの生徒にとっては魔の時間だったであろう英語の授業が終わると、彼は青い顔をして席を立ち少し離れた席の少年の机の横に立った。立ってみると背が高く、体つきも太めでがっしりとしている。  私は空中に浮かび、うつ伏せで頬杖を付いて聞き耳を立てる。さて、この子は反省したかな?  「さっきはどうも……」シャープペンの生徒は青い顔で言った。謝られた生徒は怯えるように目を見開いて、目の前にある顔を見つめている。  「もうやらないから」
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