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広い公園にはたくさん人がいたけど、私達のベンチのすぐ側には誰もいなかった。
だから、つい少し大きな声を出してしまった。
自分でも、今の私は少し感情が高ぶってると思う、でもだって……
今までの絢斗の甘い言葉を一体どこまで信じればいいのか?
どんな風に解釈すればいいのか?
もう、何もかもわからなかったから。
「一花……」
絢斗は、私を見つめながらつぶやいた。
「ごめんなさい。変なこと言って……」
「いや、いいんだ」
そして、ほんの少しの間をおいて――
「俺、一花に話したいことがある」
絢斗のその真剣な表情と言葉にドキッとした。
「は、話したいこと?」
「ああ。フランスに来て、一花と2人きりになって話したかったこと。なあ、一花、このフランス旅行は楽しんでるか?」
「は、はい、楽しんでます。もちろんです」
絢斗はいったい何が言いたいの?
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