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「あ、あの……今までは彼女のフリで、これからはちゃんと本物の彼女としてって……ことですか?」
「ああ。そうだ」
「う、嘘……です、やっぱりそんなの信じられないです。私は、そのうち彼女のフリも解消されて、マンションも出ていくのかなって思ってましたから……」
本当にそうだと思ってた。
だから……とても、苦しかったんだ。
「一花。俺が君を惑わせるようなことをした。それは謝る。だけど、俺も自分に自信が無かった。君にちゃんと彼氏として認めてもらうには、まだまだもっと自分が成長しないとダメだと……ずっと思ってた」
彼氏として認めて……なんて、私にとって総支配人は、ずっと完璧な王子様みたいな存在だったんだよ。
絢斗がそんな風に私を想ってくれてたなんて、本当に?
もしかしてここは……夢の中なの?
全部作り物の嘘の世界?
でも、だったら……
お願い、このまま醒めないで……
「一花。俺のことどう思ってる? 返事を聞かせてくれないか?」
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