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絢斗の凛々しくて真剣な顔。
すぐにでもその頬に触れたい……
私はその衝動を抑えて、絢斗に言った。
「い、今、絢斗が言ってくれたことは、全部本当なんですか? 私、絢斗を……信じてもいいんですか?」
「ああ、もちろんだ、信じてくれ。何も疑わないで、俺のことを受け入れてほしい」
本当は――まだ疑ってる。
完全に信じられない自分がいて、この気持ちはどうすることもできない。
だけど……
私はもう……絢斗に身を委ねてしまいたかった。
ただ――大好きな人に甘えたかった。
そう思った瞬間、体が勝手に動き出し、私は自分から絢斗の胸に飛び込んでいた。
「絢斗……好き」
ずっと抱えてた想いが、言葉になってこぼれ落ちた。
今、ようやく言うことができた。
「一花、本当?」
私は、うなづいた。
「ありがとう……嬉しいよ」
絢斗は、すぐ目の前にいる私のことをぎゅっと強く抱きしめた。
そして、優しく右手で髪を撫でてくれた。
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