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でも、絢斗の案内で、すぐに入口にたどり着くことができた。
教会の中は、王族や貴族などが祈りを捧げていた上層礼拝堂と、それ以下の人が祈っていた下層礼拝堂があり、入口を入ると、まず比較的地味な下層礼拝堂が目に入った。
それを見ながら階段で2階に上がると、いよいよメインの上層礼拝堂がある。
足を踏み入れ、私は目の前に広がるあまりにも素晴らしい光景に思わず目を疑い、息を飲んだ。
「嘘……何なのこれ……」
心の声が、そのまま出てしまった。
天井が恐ろしく高い、広々とした礼拝堂の壁一面が、豪華できらびやかなステンドグラスになっていた。
キラキラして、あまりにも美しく、壮大で、幻想的な空間に勝手に涙が流れる。
「とっても綺麗……こんなに素敵な物を見せてくれて、本当にありがとうございます」
絢斗は私の頬の涙を拭ってくれた。
そして……私の手を優しく握った。
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