あなたの熱い想い

14/17
前へ
/257ページ
次へ
その温もりを感じ、また、涙が溢れる。 「一花。結婚しよう」 絢斗は、微笑みながらさりげなくポツリとそう言って……ゆっくりと上を見上げた。 ステンドグラスに願いを込めるように―― たくさんの観光客はいたけど、絢斗の声はちゃんと聞こえた。 絢斗の優しい香り、絢斗の息づかいまで……しっかりと感じたんだ。 私も、ステンドグラスを見ながら、 「こんな私で……本当にいいんですか?」 そうつぶやいた。 「俺は一花を愛してる。ずっと前から君だけを見ていた。他の誰でもない、一花を俺のお嫁さんにしたい」 もう、これ以上…… 信じられないとか、言いたくないと思った。 絢斗を…… ちゃんと信じようと、やっと心に決めた。 「私、絢斗のお嫁さんになりたい」 そして2人は、その素晴らしい空間の中で見つめ合った。
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5168人が本棚に入れています
本棚に追加