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その温もりを感じ、また、涙が溢れる。
「一花。結婚しよう」
絢斗は、微笑みながらさりげなくポツリとそう言って……ゆっくりと上を見上げた。
ステンドグラスに願いを込めるように――
たくさんの観光客はいたけど、絢斗の声はちゃんと聞こえた。
絢斗の優しい香り、絢斗の息づかいまで……しっかりと感じたんだ。
私も、ステンドグラスを見ながら、
「こんな私で……本当にいいんですか?」
そうつぶやいた。
「俺は一花を愛してる。ずっと前から君だけを見ていた。他の誰でもない、一花を俺のお嫁さんにしたい」
もう、これ以上……
信じられないとか、言いたくないと思った。
絢斗を……
ちゃんと信じようと、やっと心に決めた。
「私、絢斗のお嫁さんになりたい」
そして2人は、その素晴らしい空間の中で見つめ合った。
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