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優しい笑顔が消えてしまって、ちょっと悲しくなった。
「松下さんが、彼と一緒に旅行に行くような仲だというのは……俺にとってはとても残念なことだな。俺は、君を諦められないから」
「工藤様……そんなこと言わないで下さい」
「迷惑だからかな? そうだね……迷惑だよね」
お願い、寂しい顔をしないで……
私、工藤様のこと決して嫌いじゃない、だけど、工藤様とは……
「迷惑を承知で言うよ。俺は、君と結婚したい。君を愛してるから、誰よりも……ね。だから俺と一緒に海外に行ってくれないか?」
えっ……そんな……
絢斗のすぐ後に、まさか工藤様からもプロポーズされるなんて。
本当に……次々有り得ないことが起きて現実味がないよ。
工藤様は、世界中で読まれている才能に溢れた人気のミステリー作家さん。
その人に、今、プロポーズされてるなんて……
「やっぱり、返事に困る? 彼からも、フランスでプロポーズされたのかも知れないね……だったらいっそのこと……君をさらって彼から奪いたい」
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