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友情でつながる未来
それからしばらく、私は絢斗のおかげで幸せを感じながら、コンシェルジュの仕事に打ち込めた。
ある日、私は仕事の帰りに萌佳を見かけた。
「萌佳?」
少し酔った様子で、横に知らない中年の男性が立っていた。
小太りで髪もかなり薄く、明らかに萌佳とは似合っていない。
とても心配になり、私は思わず声をかけた。
「萌佳、何してるの?」
私に気づいた萌佳。
「一花!!」
「今日、休みだよね? こんなところで何してるの?」
「別に何だっていいじゃない! 飲んでたらこのオジサンに声をかけられたから、今からホテルに行くの。何か悪い?」
私は、全身から血の気が引いた。
「萌佳。自分が何言ってるかわかってるの?」
「止めてよ! そんな正義感ふりかざすの」
「正義感なんかじゃない! 萌佳がそんなことしてるのが友達として悲しいだけ」
紛れもなくそれが本心だった。
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