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「一花、ありがとう。本当に優しいね。だけど、それじゃあ、私が前に進めないから。だから、ちゃんと罪を償う。私ね、ずっと長い夢を見てた気がするんだ……すごく悪い夢を。でも、総支配人と一花のおかげで、やっとそこから目覚めることができた。今度はね、希望に満ち溢れた新しい夢を見たいなって……思ってる」
萌佳の瞳、キラキラ輝いてとっても綺麗だ。
「新しい夢?」
絢斗が尋ねた。
「はい。私、海外のホテルで修行をしたいと思ってます。もっともっといろんなことを勉強して、お客様のためだけに頑張れる本物のホテルマンになりたくて……」
「嘘、萌佳、海外に行っちゃうの?」
「ごめんね……一花と一緒にずっと働きたかったんだけど、一花がいると、やっぱりいろいろ甘えちゃうしね。本当に汚い命を捨てて、初心に戻って自分の可能性を試したいんだ」
萌佳、本気なんだね……
「寂しくなるよ……でも、萌佳の夢なら応援……しなきゃね」
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