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「ええ、結婚します」
絢斗は、ハッキリとそう言ってくれた。
「……本当におめでとうございます」
萌佳は一瞬動揺したように見えた。
でも、そうだよね、まだまだ……絢斗のこと忘れられないよね、ごめん……
「萌佳……」
「ちょ、ちょっと一花、そんな顔しないでよ。私が可哀想だからって、結婚はしないなんてバカなこと言わないでよね。一花は、総支配人と結婚して幸せになるの。好きな人と一緒になれるなんて、最高に幸せだよ」
萌佳の笑顔に嘘は見えなかった。
「ありがとう……萌佳」
「さすがに……2人の式には出れないけど、私、アメリカでめちゃくちゃイケメンの彼氏をつかまえて、一花に見せつけちゃうからね」
萌佳が笑った。
「うん、楽しみにしてるよ」
私も笑った。
まるで、中学校時代にタイムスリップして、まだ幼き自分達に戻ったような――
そんな感覚になった。
教室、運動場、帰り道……いつまでも時間を忘れてずっと笑ってた。
あの頃の懐かしさに包まれ、私はとても温かい気持ちになった。
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