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この世の法則は理不尽だ-1
チュンチュンチュン……
朝から窓際で鳥が囀る。
意識を向けるとカーテンから木漏れ日がやけに眩しい。
「また朝が来た……」
僕は布団から出ると、それらを丹念に折り畳んだ。
これはルーチンのような者だ。
部屋を出て、キッチンに行くと冷蔵庫を開く。
並べられたミネラルウォーターから2本を取り出して、1本の蓋を開けて喉を潤した。
飲み込む喉の音が頭に響く。
それを聞き取れる程度には繰り返している。
「さてと……」
もう1本は腰掛けのホルダーに装着して、腰掛けを腰に巻いた。
短刀2本だけを備えて、深呼吸。
「行くか」
玄関から靴紐を固く結んで外に出る。
日差しは先程より眩しく突き刺さり、今日も1日は回る。
「おはよう」
玄関先にショートの黒髪が日差しを反射する、眩しいばかりの美貌の女性。
「おはよう」
彼女の挨拶に淡白な挨拶で返した。
これは僕らの日常と、その繰り返しから生まれる些細でファンタジーで、だけど在り来りで、かけがえのない物語。
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