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「おーいお前らサイゼ行くよー!健五もだよ!ったくトロいんだからよー」
元気でキンキンと響く掛け声で集まった6人は、ほとんどが帰宅部。直帰が正しい活動のはずだが、悲しいかな、放課後の高校生はマックやサイゼに足が向く生き物だ。帰宅部失格、退部寸前である。
「リリ、僕まだ支度が…」
男子に声をかけたガサツな女子が、ルックスは冗談のように可愛いが性格が冗談のようにテキトーな梨々子。
従者のような扱いをされているおとなしい男子は、180cm超の長身イケメンで水泳部ならではの逆三角形。しかし性格は冗談のように気弱で声も小さい、健五である。
幼馴染みながら性格は真逆な2人は、腐れ縁なのか今日も一緒にいる。大体はこうして梨々子が健五を引き回すパターンなのだが。
「えっへへー、なんにしよっかなー」
サイゼリヤに着き満面の笑みでメニューを眺める梨々子。彼女をはじめ、集まった5人の女の子はみんなやたらと目が大きく金髪で派手でまるでギャルのようないやむしろギャルなのである。
6人がけテーブルの片側には、健五を中心に右に梨々子、左にあやね。その向かいには左から土里亜、瑞波、筆音の3人の女の子が陣取った。いうまでもないが皆本名である。
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