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健五がオロオロしてテーブルを拭く間、梨々子が暴言を吐いた筆音に食ってかかった。
「ちょ今何つった?誰がトロくてウゼーって?」
「わーってんだろ、その薄らデカイ彼氏だよ!」
「彼氏じゃねーっつってんだろ。それに健五はトロくない」
「いやいやいや、トロいトロい言ってんのそっちじゃんw」
梨々子が座った目で言い放つ。
「あのね。あーしがこいつをdisるのはいいの。でも他に言われると腹立つのよ‼︎」
清々しいまでの開き直りに凍りつく一同。ここで瑞波があやねに耳打ちする。瑞波は梨々子以上に可愛いルックスを生かし、ファッション誌の読モ活動のほかどうやらいけないモもやっているらしい。
「ねえ、あやねちゃぁん。梨々子ちゃんと健五くんわぁ、やっぱ恋人同士なのぉ?」
「うーん…違うはずだけど、このナメた言い草…私もそんな気がしてきたわ」
気の強い筆音はなおも梨々子に食ってかかる。
「わけわかんねー!この弱っちいデクノボウのどこがいいんだよ梨々子?」
梨々子は今までになく真剣な表情。ブチ切れると思いきや、切なげに震えて言った。
「バッカヤロー!健五はな、健五は…」
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