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「なぁ知ってるかガウス。あの英雄様な、英雄としての自分を嫌ってる奴なら別に誰でも良かったんだぜ?」
「……どういう……ことですか」
「アイツ、多分お前にも言ったと思うが『グレイス・ユージニスを愛してほしい』とかそういうことほざいてたろ?それはな、英雄としての自分じゃなく、強さとか地位とかそういうのを気にせず愛してほしいって意味なんだよ。だから、英雄としての自分を嫌ってる奴を狙ったんだ。そんな奴が自分を好きになれば、それこそ本当の愛だって思ってたんだろうよ」
ボスの話を聞いたガウスは、今まで疑問だったことに納得がついた。
どうして自分を恋人にしたいなんて言ったのか。あんなに罵倒されていたにも関わらず、嬉しそうにしていたのか。どうしてこんな自分を助けてくれていたのか。
全てに納得が付いてしまった。
「悲しむことはないぞガウス。お前がアイツが忘れられねぇっていうんなら、俺が慰めてやる」
色々と整理が出来ない感情を読まれていたのか、ボスは優しくガウスの頬を撫で、そしてゆっくりと服の中へ手を滑らせていく。
「ぼ、ボス」
「安心しろ。気持ちよくしてやる」
咥えていた煙草を外し、ドールに灰皿を持ってこさせるよう指示すると、そのまま山になった吸殻の中へ煙草を捨てた。
「あのぉボス。ワタクシは人のセックス見て楽しむ趣味はないので、上に行ってますね」
「あぁ。好きにしろ」
先に階段を上がっていくドールを見ながら、ガウスは自分が今から何をされるか徐々に頭が理解していき。なんとか身体を起こそうとするが、ボスに手首を捕まれ。身動きが取れなくなってしまう。
「ぼ、ボス!!やめてください!!」
「どうしてだ?この俺に犯されるのが、そんなに嫌か?」
「だ、だいたい俺なんか犯せないでしょう!!」
「いいや?お前は俺のお気に入りだからな。十分抱けるぜ?」
ボスは自分の親指をガリッと噛むと、傷口から溢れる血液で、ガウスの目の下から頬にかけて赤いラインを引いた。
それは、ガウスとドールのみに付けられたボスのお気に入りの証。
「これでお前は、また俺の奴隷だな」
ボスは再び手を動かし始める。
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