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「オイッ!!聞いているのか!!」 再びバンッ!!と、思いっきりテーブルを叩いた音が部屋に響き渡り。ガウスの意識は、いつの間にか立ち上がっていたロイドの方へと戻る。 「大体、どうしてお前のような奴がグレイスの屋敷にいる!!グレイスに何をする気だ!!しかもその指輪……どうしてお前なんかが、それをはめているんだ!!」 「……はぁ~~……質問の多い野郎だな。そんなの俺に聞かれても分かるわけねぇだろ。寧ろこっちが聞きたいくらいだっつうの。それに、この指輪のせいで屋敷の外に出ることも出来ねぇし。こんなのもうほぼ監禁状態だぜ?英雄様がこんなんでいいのか?あ?」 「嘘つくな!!グレイスが、お前なんかを監禁するはずがっ」 「アルフェルト様。全てガウス様の言う通りでございます」 反発していたロイドに、メアリーは頭を下げてそう答えた。 その隣で、少し戸惑いながらもロックも同じように頭を下げている。 「メアリー……ロック……」 普段接客する時にしか話しかけてこない二人が、話の間に割り込んでまでガウスを庇ってきた。 その事に、ロイドの中で戸惑いと疑念が生まれる。 どうしてこんな男に二人は、グレイスは、こんなに入れ込んでいるのだろうかと。 今までずっと連れ添ってきた自分ではなく。英雄として倒すべき悪人なんかを側に置いているのだろうかと。 「……どうしてだグレイス。俺の方がお前の事、ずっと想っているというのに……どうして……」 「あ?なんか言ったか?」 「煩い!!どうしてお前なんかがっ……」 怒りが爆発しかけたところで、ロイドは何かを理解したように黙り込むと、再びゆっくりと口を開いた。
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