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「すみませんガウスさん。少し意地悪してしまいましたね」 顔に苦悶の色を浮かべていたガウスに、グレイスは少し慌てすぎた自分の気持ちを落ち着かせるように優しく抱き寄せた。 「ゆっくりでいいです。ずっと待っていますから」 「……なにをだよ」 「貴方の気持ちです」 「……はっ。変わらねぇよ……多分」 「いいえ。いつかは変わりますよ。だってこれからずっと、僕は貴方の側に居続けるんですから」 そう言って嬉しそうに笑いかけるグレイスに、ガウスの心がまた満たされる。 (いいのか?奴隷商人の俺が、誰かに助けられてもいいのか?誰かに大切にされても……許されるのか?) 「では、また明日伺いますね。今日はゆっくり休んでいてください」 「待て」 「え!?またですか?」 とか言いつつ、嬉しそうに耳をぴょこぴょこ動かしているグレイスに、ガウスは苦笑いを浮かべる。 「どうしたのですか?早くお休みにならないと、お身体に響きますよ?」 「分かってるって。ただ……あぁ……あれだ」 色々と悩むように髪をぼさぼさにして掻きむしると、ガウスは覚悟を決めた顔をグレイスに向けた。
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