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「テメェ……なんで来たんだ」 ロイドが離れて、体制を立ち直したガウスは、拳を握りしめながらグレイスを睨みつける。 こうなった以上、グレイスは街の人からの信頼を失うだろう。それは本人が一番分かっていたはずだ。 それでもグレイスは、ガウスを助けに来た。 ガウスは、それが嬉しかったのだ。 口先だけじゃなく。こんな状況でも本当に自分の味方をしてくれたグレイスに、ガウスの気持ちは救われたのだ。 だが、それと同時にガウスの中では罪悪感が渦巻いていた。 自分のせいでグレイスまでもが、悪として見られてしまう事に。 「テメェは……ここに来るべきじゃねぇんだ」 「いいえ。ガウスさんを助けるのは、僕の役目です」 「違う!!俺を助ける必要なんかねぇんだ!!テメェは悪党なんかじゃねぇ……わざわざこっち側に踏み込んでくるな!!」 「悪とか正義とかどうでもいいんです。僕は、僕の守りたいものを守ります」 グレイスは剣を構え、ロイドに向かって飛び出した。 ロイドは凍った剣をすぐに炎で溶かし、グレイスの一振りを受け止めて薙ぎ払う。 「やはり貴方を倒すのは簡単ではなさそうですね。ロイド・アルフェルト」 「そうか?俺は負ける気がしねぇぜ?」 赤い剣と青い剣がぶつかり合い、火花を散らす。 まさに鍔迫り合いの戦いだ。
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