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「っ……」
シャツのボタンは外さず、ゆっくりと上にめくりあげながら、ガウスのヘソから胸元まで撫でまわしていく。
「ククッ。やっぱり女みてぇに柔らかくもなければ、普通にゴツイ身体してんな」
「っ……い、嫌ならもう」
「いや。お前のその、嫌なのに気持ちよくて感じてる顔がそそるから止めない」
「んな顔して、うっ、ん」
ボスは膨らんだ突起物を口に含み、ついばむように吸いながら、次第に腰が浮いていたガウスの背中に腕を回し。そのまま肩や首元にまで吸い付いていく。
まるで、自分の物だと印を残していくように。
「や、めっ……」
まだグレイスにも触られたことのない場所を、一番恐ろしい人物に汚されていく。
自分が誰のもので、自分が何者か、嫌でも知らしめられているかのようで、ガウスは自然と涙をこぼしていた。
「あ?なんだこれ」
「そ、れは……」
ガウスの手を掴んで指にはめられていた指輪を見つめるボスは、それが誰からもらったものなのかすぐに理解し、くつくつと笑いだした。
「クックッ。こんな物まで用意していたなんてなぁ……どうやら英雄様も本気らしい」
その言葉の意味にいまいち理解が出来ない様子のガウスにボスは鼻で笑うと、指輪をはめた指を咥えた。
「ぼ、ボス?」
「もうこれ、要らねぇよな?ガウス」
指輪をはめた指の根元に、ボスの歯がゆっくりと食い込んでいく。
じわじわと広がっていく痛み。
肉が押しつぶされ、皮膚が少しずつ裂け、骨のきしむ音がガウスの耳に入ってくる。
「ボス!!痛い!!嫌だ!!やめてください!!お願いします!!指が、俺の指がッ!!」
しかし、ボスの口はガウスの指を噛み千切ろうとゆっくり閉じていく。
指から手の甲を伝い、腕へ流れていく鮮血。
ガウスは痛みに顔を歪め、涙しながら叫んだ。
「グレイスーー!!」
その瞬間。
真っ赤な炎の渦が、ボスの身体を包み込んだ。
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