次女・どうしたって発想が斜め上

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次女・どうしたって発想が斜め上

 こやつは・・・いや、もう何も言うまい(笑)   ―――  シンデレラのいる町の「モブ」ちゃん  “この国の王子様は変わっていらっしゃる”  1週間後に町中の女の人を城に集めて、パーティーを開くのです。 「招待状は貰ったけど、服どうしよ」  パーティーに向けて、町中の仕立て屋さんは大忙し。仕立てにかかる値段は普段の5倍もします。  まあ、町に住むごく普通の女の子な「モブ」ちゃんも、着る服に悩んでいました。  朝起きて飯食って悩んで、仕事して飯食って悩んで、飯作って飯食って悩んで・・・。  そうして1日が過ぎていきました。 「う〜ん、ラーメン、パスタ、お寿司にハンバーグ。ケーキとかお団子とかあるかなぁ。王子様はどうでもいいけど、無料(ただ)で高級な料理を食べれるなんて、中々ないから」  花より団子な「モブ」ちゃんは着る服よりも王子様よりも、食べ物に夢中なようです。 「服はタフな感じでいいよね。ドレスで来いとか言われてないし。それより昼飯どうしよう」  そう言って町に出た「モブ」ちゃんは、焼き鳥の匂い、ケーキ屋の甘い匂いにつられて、たくさんの食べ物を買ってしまいました。 「ハッ!しまった。またやってしまった。給料日前なのにっ・・・今月ノーパソ買う予定だったのにっ・・・!また上司にせがむか」  「モブ」ちゃんはパーティーの事を忘れて、いつも通りの生活を送っていました。 「うひょーっローストビーフにマリネ、マカロンにチョコフォンデュときたか!はぁ・・・うまそう・・・」  シンデレラが出てきてもこんなことを言っていたのは「モブ」ちゃんだけでしたとさ。             おしまい。 母の総評  シンデレラの時代にノーパソ(笑)ラーメン(笑)  どいつもこいつも(笑)  そして王子はどこに行っても変人(笑)  示し合わせたわけじゃないのにな。すごいな、兄弟。
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