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それから私達は、今まで以上に笑いあって楽しく凄すようになった。
しかしある日の夜、
ベッドで一緒に横になっていた時、
陽向がいきなり、後ろから私に抱きついてきた。
「死にたくない。死にたくないよ・・・」
彼はもっと、強く私を抱きしめた。
それだけ、死ぬという恐怖を
彼が強く感じている証拠だった。
「大丈夫。
私がそばにいるから・・・」
私はそれだけしか言えなかった。
彼が亡くなる1ヶ月前、急に彼の体調が悪くなった。
彼と一緒に病院に行くと、医師からステージ4の大腸癌だと告げられた。
余命一ヶ月だった・・・
彼は入院することになった。
私は彼をみると、なんて事ないって顔をしていた。
「本当だったんだな。・・・
別に疑ってた訳じゃないけど。」
「うん、分かってる、私だって信じたくなかった」
・・・沈黙が続く。
「どうして、どうして陽向なの・・・」
私は彼の横で泣きじゃくった。
本当は彼の方が、私の何倍も泣きたいはずだったと思う。
「きっと、2回も自殺しようとした天罰が下ったんだ」
「嫌だよ。そんなの嫌だ!・・・」
私とは反対に、彼は、この状況を受け入れている様子だった。
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