彼の生きていた証

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そして亡くなる当日、おばあちゃんが急に倒れた。 私はすぐ救急車を呼んだ。 しかし、おばあちゃんは、病院に着いた時には、 もう死んでいたらしい。 原因はクモ膜下出血。 突然死ぬこともある病気だった。 私は死ぬというのが分かってたのに、 何も出来なかった。 虚しく、どうしようもない悲しみに襲われた。 私は人とすれ違うとき、その人の目を見ただけで死ぬというのが分かった。 テレビに出ている人でさえ分かった。 でも、どうやって死ぬのかは分からなかった。 「この人、1年以内に死んじゃうよ」 私はテレビを見てて、家族に話した。 「そんな訳ないじゃないの」 とまた、母に言われた。 その人はとても有名で人気のある俳優だった。 私の予想は当たった。 それから半年後、その俳優は交通事故で亡くなった。 母はその時、驚いていた。 「どうして、あの時分かったの?」 「私、その人の目を見ただけで、1年以内だったら死ぬのが分かるの。信じてくれる?」 母は頷いた。 流石に母は、信じてくれたようだった。 「そのこと、他の人に話したらだめよ」 母はそう言った。 「わかってるよ。 どうせ言ったって皆、信じてくれないから」
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