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どうせ運命は変えられないなら、
分からない方がいい。
私はそう思った。
私はこの能力を恨んでいた。
私は目を合わせないように、
下を向いて歩くようになった。
人と喋る時は、目を合わせないようにした。
そういうことをしていると、
人に誤解されるようになった。
高校生だった頃、ある日の放課後、それまで図書館にいたが忘れ物を取りに教室へ向かった。
教室から声が聞こえた。
「あの子さ、よく一人でいるよね」
「話す時もさ、全然目合わせないし、気味悪い」
「なんか感じ悪いわ」
「あー、たしかに」
すぐに私だと分かった。
教室で何人かの女子が話していた。
そう言った陰口を最初聞いてしまった時は、悲しくなった。
今はもう、聞き慣れてしまった。
私は大学に入っても
特に変わらない日々を過ごした。
私は1人で過ごすことが多かった。
仲良くしてくれる人もいたが
あまり深く人と関わらないようにしていた。
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