笹食ってる場合じゃねぇ！

しかし、「パンダ条約」は日本にとって大きな問題をもたらした。少子化問題である。元来、日本は誕生する子供が年々減少していた。そこへパンダがやってきたことによって、子育てをする環境ではなくなってしまった。パンダとはいうものの、クマである。政府は、両国の関係のためにひた隠しにしていたが、事故も無いわけではなかった。

子供が生まれなくなった日本。日本人は、パンダを我が子のように扱い始めた。トイレトレーニングを施し、絵本を読み聞かせ、スプーンを握らせて食卓につかせ、同じベッドで眠った。その方が都合が良かったのである。子供の学費や親戚からの圧力、子供の進路など、悩みの種から開放されたのだから。パンダであれば、愛でるだけで良い。

やがて、仕事をする家庭のために、パンダの保育所ができるようになった。