真夏の夜の夢

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 「ありがとう、気付いてくれて」    懐中電灯もない中で月の灯りだけを頼りに道を進む。  「皆酷いよな、置いてくなんて! 足痛いんでしょ、戻ったらすぐに手当てした方がいいよ」  ! それにウルっときた!  うちのクラスの男子たちに聞かせてやりたい台詞だよ!  アイツら今頃私がいないことも気づかないで花火でもやってんだろうって思ったら腹立たしい。  私の行きたくないっていう直感的なもの、もっとちゃんと信じろ!!  人を置き去りにすんなっ!  でも、そのおかげでこんなイケメンと歩けているのはラッキーハプニングか。  見上げた横顔すら、かっこいい。  「名前、なんだっけ?」  「ハナ、三崎ハナです」    「ハナちゃんか、可愛い名前」  ちょっと、見た?  ふふふって微笑んだ顔! かっこよすぎる~!  ニヤケそうになる顔を悟られないように心の中で抑え込んで。  後で一緒に写真撮ってもらって連絡先も聞いてもいいかな?  なんて、ね。
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