総力戦

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フレアス達でもレザベンド軍の騎士団に 通用する強さがあるのは 砦での戦いで既に証明されている。 これまでも仲間の皆と協力することで 幾度となく窮地を切り抜けてきた。 力を温存しながら敵と交戦して倒していき 城に続く岩肌を進んでいくと、 もうレザベンドの城が 間近にまで見える距離にまで来ていた。 城周辺では北と南の同盟軍とレジスタンス達が レザベンド軍と激戦を繰り広げている。 ガルロは先に進もうとして 妙な違和感に気づいた。 「…変じゃ、先程まで先に進んでいた 北と南の同盟軍がかなりやられておる。 いかん…、もしかすると 罠に嵌められたかもしれんぞ。」 気づいた頃にはもう遅く 城の近くにある岩という岩から レザベンド軍が待ち伏せしていた。 魔導師の部隊が突然見えないところから 姿を現して、魔法を唱える。 城の周辺にいた敵の軍勢は囮だったのだ。 いつの間にか全体的に囲まれて 北と南の同盟軍とレジスタンス達が 魔法による一斉攻撃で一網打尽にされていく。 フレアス達は後ろについていたおかげで 魔法の直撃は免れたがこれでは 城に入ることはおろか近づくのも困難を極める。 待ち伏せ自体は想定していたが 出てくるタイミングと数の多さに押され 段々と絶望的な状況に追い込まれていった。 「…どうするのフレアス? 私の魔力なら皆が進む突破口を開けるけど…。」 「まだ近くに敵が溢れていて危険です。 それに今ここで魔力を消耗すれば 城での戦闘にまでもたないでしょう。 もう少し引いて戦いましょう。」 魔力切れになると魔法使いは無力であり 魔法回復薬にも限りはある。 少しずつ迫り来る敵の軍勢に フレアス達がさらに抵抗しようとした時に その異変は起きた。
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