情報収集と不思議な出会い

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「…危ないところだったわね。大丈夫?」 魔女は心配そうにそう言った。 「大丈夫です。砂が目に入っただけでした。 あ、条件の一つのキノコを手に入れましたよ。」 フレアスは魔女にキノコを渡し、 洞窟を出てから町近くの草原に移動した。 「ここなら人の迷惑にならずに 力試しができますね?」 「…その通り、私に勝てたら条件達成よ。 洞窟に行かせたのはあなたの力を試したかったの。 準備はいい?」 それが開始の合図になり フレアスは頷くと剣を構えた。 両者共に集中し草原に静けさが戻る。 先に仕掛けたのは魔女からだった。 ''火炎の球体,, ファイアーボール 炎の魔法を3発ほど飛ばす。 フレアスは2発は回避や剣ではじいたが 3発目を肩にくらう。 魔女も殺す気は無いとはいえ なかなかの威力で鎧に焦げ目がついた。 彼女は自分の力を試している。 仲間になるに値するか どうか品定めしているに違いない。 フレアスも負けずに駆け出して 一気に距離を詰める。 魔法使いは魔法による遠距離攻撃が得意だが 接近戦には弱い。 もらった! と剣先を箒に伸ばすが いきなり地面から出てきた何かに遮られる。 "土塊の防御壁,, ストーンウォール 彼女が唱えた魔法が壁を生み出して 攻撃が防御されて通らない。 魔女は素早く後ろに下がると ストーンウォールを盾にしてまた魔法を唱える。 ''雷の雨,, サンダーボルト 今度は全体攻撃の雷がフレアスに降り注ぐ。 直撃したら大ダメージを負うだろう。 持っていた剣を放り投げ避雷針の代わりにする。 「…え、私の魔法が…!? 雷を剣だけで凌ぎきったというの?」 驚きを隠せない魔女は動揺したのか 動きが止まっていた。 フレアスは素早く移動して 魔女の箒を奪うと彼女の喉元に向けていた。 「私の勝ちですね。条件通り、仲間に なってもらいます。 魔女…、いや、君の名前は?」 「…私はドロテー・マクガイア。 これからは…、よろしくねフレアス。」 彼女はやんわりと微笑んで握手してくれた。 ドロテーが仲間に加わった。
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