情報収集と不思議な出会い

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しばらくして東の国でも西の方に位置する都、 ポルストボニスに到着した。 馬車から降りて歩くと門番が立っていた。 「君らはここらで見ない顔だな。 この門を通りたければ 通行証を見せるか、 もしくは通行料を払ってもらう。」 「わかりました、通行料を支払います。」 とりあえず二人分の通行料を支払った。 門番は魔女であるドロテーをジロジロ見ていたが 特には何も言ってはこなかった。 門を抜けると今までにないほどの立派な建造物、 沢山の市場を行き交う人々がここで暮らしていた。 フレアスはポルストボニスに 来るのは初めてで聞いた噂では 冒険者ギルドが存在すると聞いていた。 ここでなら強い冒険者が 仲間になってくれるかもしれない。 ギルドでは賞金首の討伐依頼やダンジョン内に ある宝を探してくる依頼など様々である。 冒険者ギルドの建物に着いて中に入ると、 戦士や魔法使いの人達が依頼が貼り付けてある 依頼ボードの前に集まっていた。 ザワザワ… と人々の話し合う声がした。 彼らの視線の先には張り紙が一つ。 『レザベンド・アレクサンドルを討伐した者には 大量の金貨、莫大な賞金を与える。 東の国パーシャデア王国 国王デンクス・アダマンテス』 どうやら騎士以外に冒険者にも 王様は協力を要請していたようだった。 これなら自分達と同じように 戦う志しを持った同志がいるかもと思ったが…。 「いくら王様が賞金を出すと言われてもな…、 負け知らずの覇者を止められる者がいるものかね。 命がいくつあっても足りやしないよ。」 隣にいた戦士が言いながら溜息を吐いた。 「噂ではの、レザベンドがいるらしい拠点、 城に乗り込んだ冒険者達は 全員返り討ちにあって 帰ってきた者は一人もいないそうじゃ。」 初老な魔法使いがそうぼやいている。 この場にいた誰かしらが討伐依頼の張り紙を 目にしてはいるものの、 討伐に挑もうとする勇気ある者は 結局一人も見当たらなかった。
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